馬産地レポート一覧


お使いの機種に対応しているムービーがありません。
●うまレター2016年7月号掲載


平安ステークス(GV・京都)優勝馬アスカノロマンの父
アグネスデジタルが暮らすスタリオン

ビッグレッドファーム(新冠町)

 ダート一流馬への登竜門ともいえる「平安S(GV)」を、1番人気のアスカノロマンが制覇。好スタートからすんなりハナを奪うってマイペースに持ち込むと、最後の直線では後続を突き離して5馬身差の圧勝劇。東海Sに次ぐ重賞2勝目を飾り、5歳にして完全に本格化を迎えたようだ。
 アスカノロマンの父は、GT6勝馬アグネスデジタル。ダートではマイルCS南部杯(盛岡)とフェブラリーS(東京)を、芝のマイルではマイルチャンピオンシップ(京都)と安田記念(東京)を、芝の中距離では天皇賞・秋(東京)と香港C(沙田)を制し、中央・地方・海外・芝・ダート・マイル・中距離の各カテゴリーで頂点に立った。長い日本競馬の歴史の中でも、これほどまでに条件を問わず、オールマイティに活躍した馬は他に見当たらない。
 04年に新冠町のビックレッドファームでスタッドインし、種牡馬生活も13年目。これまでにカゼノコ(ジャパンダートダービー)、ヤマニンキングリー(札幌記念、中日新聞杯、シリウスS)、グランプリエンゼル(函館スプリントS)など、さまざまなタイプの産駒を送り出している。
 「今年で19歳になりましたが、馬自身はとても若々しく、元気いっぱいです。今年もすでに、30頭以上の種付けをこなしました」
 と話すのは、アグネスデジタルを担当して6年になるビッグレッドファームの木村浩史さん。
 「我の強い面も見せるのですが、本当は繊細で臆病な性格をしており、とても人間っぽい馬なんです。ですから、僕が馬の世話をしているというよりも、完全に仕事のパートナーだと思って付き合っています」
 と、アグネスデジタルに全幅の信頼を寄せている。種牡馬担当になった当初は馬との関係を築くのに神経をすり減らしたそうだが、今ではとてもやりがいを感じているそうだ。
 「交配する繁殖牝馬の影響もありますが、産駒は父よりも脚長で大きく出る傾向がありますね。それでも筋肉のつき方などの各パーツを見ると、アグネスデジタルの良い部分が遺伝されているように感じます。近年はダートでの活躍馬が目立っていますが、パワーを伝えやすい体型をしていることが、力のいる馬場での成績に現れているのではないでしょうか」
 と産駒の特徴を分析する。
 「アグネスデジタルの産駒が種牡馬となり、その血を次世代につないでくれることが僕の夢なんです。仮にその仔がうちのスタリオンに来て、僕が担当できるようなことがあれば最高ですね。そのためにも、産駒の出るレースは馬券をたくさん買って応援しています(笑)」
 と笑顔で締めくくってくれた。
 もう少しでGTタイトルに手が届くところまで来ているアスカノロマンは、木村さんの夢に最も近づいている馬なのかもしれない。飽和状態となっているサンデーサイレンス系とは一線を画す貴重な血を、日本に根付かせる可能性を秘めたアグネスデジタル産駒の活躍に期待しよう。

牡馬、栗毛、1997年5月15日生
●生産地/アメリカ
●調教師/白井寿昭(栗東)
●馬 主/渡辺孝男 氏
●戦 績/32戦12勝
●総賞金/730,925,000円
     +13,200,000香港ドル
     +120,000ドル
戻る

TOPへ

©WORLD